♯07
カラダの傷とココロの傷

2004.1.9(Fri)
エフィ、歯茎の腫瘍摘出&欠けた歯の治療の為、手術を受ける。

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エフィの欠けた歯…。ゆみごろうがまだ、ただっぴろい借家でエフィと暮らしていたときのこと。歯磨きを兼ねたストレス解消に馬のひづめを与えていた。ガリッ、ガリッ、ボリッ、ボリッ。野性的かつ豪快にかじりつくエフィ。ああ、なんてたくましいんでしょ、この娘は。 なんて…、よく見てみると、あらやだよ、この娘。上の歯が欠けちゃってるじゃないの、まったく、あははは…。や、笑い事じゃないじゃん。なんでそんな力一杯かみ砕いちゃうかなぁ、ホントに。
ゆみごろうは連れ行きましたよ、エフィを歯医者に。でもね、ここだけの話、その歯医者はあれだったんだな。つまりその、人様の歯を治療してくれる、普通の街の歯医者さん…。おいおい。そんなゆみごろうもどうかと思うけど、その歯医者さん「ああ、ちょっと治療できないなぁ。でもこれからは犬の歯も治さないとだめかなぁ。」だって。
インターネットっていう便利なものがようやく我が家にも普及し、色々なサイトを調べてみた。その結果、信頼のできる情報を扱うサイトを発見。あつかましくもメールで相談してしまった。この人、偶然にも我が家からほど近い所に住んでらして、以来オンオフ問わずお付き合いいただいている。そして、歯に関わるトラブルは、最悪の場合取り返しのつかないものであると判明。この時、ゆみごろうは専門の先生に相談することを決意する。そして歯の治療には当然の事ながら麻酔が必要となる。それならば、ここ数年様子を見てきた歯茎の腫瘍。この際こいつも取ってしまおう。(ちなみにこの腫瘍、なぜだか小さくなっている。食事療法やメンタルケアの効果がでているのかな?)

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前日のお昼を最後に絶食。ハウスに寝かせていたが「なんでご飯くれないの?あたい何か悪いことした?」 ってな感じで落ち着かない。こんな時言葉が通じたらって…切実に思う。親バカ丸出しながらエフィと一緒に夕飯を抜いたりしてみた。ゆみきんぐはしっかりがっちり食べていたけど。
当日の朝は早くに出る予定だった。病院は東京都内だったんだけど、ゆみごろうの方向音痴はスペシャルである。浜名湖についてもおかしかない…。それを心配したのか、きんぐが休みを取って一緒に行ってくれることになった。朝になってもご飯を貰えないエフィは「ぶぉぉぉ〜っ…」って文句をたれている。

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そして、病院到着。 早速、先生に診察して貰う。症状は心配していたよりもずっと軽いようでひと安心。そして、手術の準備へ…。今回は先生の他に助手の先生方が3人。 手早く、優しくエフィに麻酔をうった。ゆみごろうの脳裏には避妊手術の時の映像が重なった。
でも、今回は先生方に抱かれながら目を閉じていくエフィ…良かったぁ…。9時40分、手術開始---------。普通の手術と違ってかなりオープンな状態である。処置室のドアは開いたままで尻尾までグタ〜ッとしたエフィが見える。そして処置が済んで、麻酔から覚めるのを待つ時 助手の先生がエフィのお尻に ティッシュをあてている。まさか…こんな時まで肛門腺?!  麻酔のせいで緩みきったか?!エフィ!!!!!!(っていつものことです…なんせナチュラル肛門腺ですから)


ああ、噛むって楽しいなあ♪


そしてこのざま
1ミリくらい欠けて茶色く変色


約5ミリの腫瘍


わかりにくいけどケージの中
ご飯を抜かれたことにご立腹か?
エフィは気に入らないことがあると
寝床を掘る いつもはきれいなのに…



もうこんな感じで開けっぴろげ
まるで、こんなもの手術のうちにはいらんよ、とでもいう感じ
でもこの状況がゆみごろうの不安を軽くしてくれたのは事実

麻酔から覚め始める頃、エフィはケージに入れられた。覚める時にパニック状態で暴れることが多いらしい。「アォアォアォ〜〜ッ、ウゴォ〜ッ…ンゴォ〜」何か喋り始めた。(これもいつものことなんです…) 助手の先生達も「何か喋ってるよ」って笑っている。が…その内バタンッ!バタンッ!!と暴れ出した。
そして「ウォォォォ〜〜ンッ!ヒャンッ!!!!!!フォォォ〜〜ン!」ってな遠吠えに近い 吠え方を続ける。避妊の手術中に聞いた遠吠え…あれって本当に麻酔が切れかかってたんだ…って再認識をした。やっとケージから出して貰って、少し落ち着くように抑えられるエフィ。ドアの隙間から目があう。生まれたての鹿のような足取りだ…。それでも瞳は一直線に私に向いていて、こっちを目指そうとしている。しばらくして出てきたエフィはフラフラながらも突っ込んでくる。そして「ヒャワンッ!ヒャワンッ!」と鳴き続ける。興奮させないようにと指示を受けたので、なんとかなだめようとした。まだ感覚の戻らない口で賢明に私の口元を舐めようとする。目もひんむいて、鳴きながら飛びつくエフィ。
それは私の中で、かつてあった感覚と重なっていた。彼女もこの時は同じことを思っていたのかもしれない。…虐待時…、朝いちで私と会社で逢う時の表現と同じだった… 「どこに行ってたのっ?! 怖かったよ!!!!!!」とでも訴えるように鳴き叫んでた頃と…。帰りの車でも吠えると言うより鳴き叫ぶエフィ。家に戻っても落ち着かない様子だった。

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ふらふらなエフィは
タッチを求めるプロレスラーにも
見えたとか

翌日、車のバリケンを掃除していると…うん●だ…。車のバリケンで粗相したのは2回目。1度目は虐待時にフラッシュバックした時、カウンセリングを受ける直前。ショックだった…(うん●だと気付かず手で掴んだことではなくてね…)エフィにとってはかなりの恐怖だったのだろうか…。きっと彼女の中で「絶食」+「恐怖」は虐待時へフラッシュバックする原因になるのだろう。心の傷が完治することはないのだろうか?

幸いにも今回はいつものエフィに戻るまでそんなに時間はかからなかった。落ち着いてきてから気付いたこと…。ゴル仲間の飼い主さんにも言っていただけたことです。前の避妊手術の時は恐怖に震えて、ただただ小さくなっていたエフィ。痛みも恐怖もすべて自分の中にしまい込んで必死に耐えていた(顔も一気に白くなるくらいに)。でもね、今回は自分の感情を私たちに訴えた。「怖かった!」だったのか「早くご飯ちょ〜だいよぉ〜…」なのかは謎ですが…。自分の感情を表現できるようになっただけ、彼女は楽になったのだと思う。

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今後、麻酔をかけるような処置は減らしてあげたいと思った。エフィには体だけでなく、精神的な負担も大きい。あの姿は見ないで済むなら見ない方がいい…。そのために私ができることならなんでもやろう!(かなりの気合い)  歳をとっても自分の歯で美味しくご飯を食べて欲しいし。食べることが楽しみだからね〜。歯磨きは今まで以上に丁寧にやるようにした。1本・1本、歯周ポケットまできちんとブラッシング。エフィはお口を「あ〜〜ん」と開けて頑張ってくれている。最近では「はい、歯磨きしようねぇ〜」って声をかけると尻尾を振るようになった。歯だけではない。ボディチェックやマッサージ&ストレッチも続けよう! いつまでも楽しく過ごして欲しいからさ…。

こんなこともエフィとだからできる。面倒だとは思わないなぁ…。そして、どんなことでもどうしたら彼女にとって嫌なことじゃなく楽しんでやれるか? 今まで、訓練やディスクをしてきたのもエフィと向き合う為の方法なんですよね。 エフィをより深く理解する為に…。この先、歳をとっていくし、ボール遊びやディスクはできなくなるかも知れない。どんなことをやっていけるかはわからない…。

でも、私はどんなことでもいい…エフィと楽しみたいんだ。それが、歯磨きであれ・マッサージであれ…彼女とすることだから私にとっては素敵な時間なんだよね。

カラダの傷も、ココロの傷も、癒してあげたい…。これからも、エフィの命がある限り幸せな時を彼女に贈りたい。今回の手術で改めて思いました…。


綺麗に白くなりました


レーザーで処置(黒ずんだところ)


口の中をいじられてもへっちゃら


奥歯もきれいにね


みんなも歯をたいせつにね♪
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