♯03
泣く馬 |
オスカーがゆみごろうの前からいなくなり、心にポッカリと穴が空いたように過ごす日々。乗馬クラブへ足を運ぶ回数も減ってしまった。 そんな中ゆみごろうを慰めるのは年老いたガロだった。クラブの中では気難しいと恐れられていたが、なぜかゆみごろうには懐いていたのだ。 お腹の下を通ろうが、馬着(冬場に着せるコートみたいなもの)を着せる時も平然としていた。そして、どの馬よりも乗りやすかった。ゆみごろうは特別な事がないかぎりはガロに乗せて貰った。 しかし乗馬クラブのあらゆる所を見てはオスカーを思い出す。 最後だって事、ガロには分かっていたらしい。オスカーもそうだった。この馬達は別れを感じ取っていた。そして自分達なりにお別れをしてくれた。ゆみごろうは、こんな馬達に逢えた事を誇りに思う。そして、馬のリハビリ牧場を営む先生に言われた。「馬の涙を見る事ができたあなたは幸せな人ですね。」と…。 現在、ドクターストップにより乗馬はできなくなりました。でも馬達と過ごした日々はゆみごろうの中でとても素敵な時間でした。とても優しい心をもった馬という動物に感謝しています。 |
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