♯02
ゆみごろうのオスカー心に永遠に生きる |
我が家の階段には、ゆみごろうに寄り添う一頭の馬の写真が飾られている。今でも、ゆみごろうの心の中に住み続けているその馬の名前はオスカー。ゆみきんぐは何度もその名を聞かされた。ゆみごろうが、始めて心を通わせたと実感した人間以外の存在。 まだゆみごろうとエフィ父が出会う前。そう、あれはゆみきんぐが当時の愛車、純白のスカイラインR31GTS(歴代ワースト売り上げだったらしいけど、きんぐはこの型のスカイラインに3台乗っちゃいました)に、オイルクーラーをつけたらホースの締めの甘さからぴゅ〜とオイルを噴いていた頃(みるみる油圧が下がるのは爽快です、ははは)。ゆみごろうはハイソサイエティな趣味の王道である乗馬にはまっていた。なぜ馬か? きんぐにもわかりません。とにかく馬なのです。誰がナント言おうと…。 年をとったその馬は、乗馬初心者のゆみごろうにとても優しく接してくれた。馬は頭のいい動物で、気に入らない人間には嫌がらせをすることもあるという。実際ゆみごろうは他の馬に振り落とされたこともあるらしい。ゆみごろうもオスカーが大好きだった。いつも優しく接してくれるオスカーに対し、ゆみごろうもまた、特別な存在として接した。 そして別れの日、何も知らないゆみごろう…。いつものようにオスカーの馬房内で2時間過ごす。いつもはくつろぐオスカーが落ち着かない。すると、隣の馬房から他の馬がオスカーにちょっかいを出してくる。いつもならやさしいオスカー、全く意に介さないのにその時ばかりはまるで、「最後の時間を邪魔するな」と言わんばかりに喧嘩を始めてしまった。後にも先にもゆみごろうがそんなオスカーを見たのは初めてだった。そして、オスカーと過ごしたのもこの日が最後だった…。売りに出された訳ではない。…処分されてしまったのだろう…。悲しい事実をしったのは、オスカーを探し続けて1ヶ月後の事だった。動物とは、単なる生命体ではなく、人間の言葉も、時には心すら理解することができる存在。つまり自分と何も変わらないんだ。おそらくゆみごろうはそんな風に感じたことだろう。 ゆみきんぐ筆、ゆみごろう加筆 |
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